これからの時代は予測困難な時代であると言われています。
たしかに、流行やトレンドなど、
物事が変化するスピードが速くなったように感じます。
また、AIなどの出現により、
これからの仕事にも大きな変化が生じてくると言われます。
そのような将来に向け、
子ども達に「どのような力をつけさせれば良いのだろう?」
と感じてしまう保護者の方もおられると思います。
実社会のものづくりにおいても、
従来の生産方式などを見直す転換期に来ているという見方もあるようです。
しかしながら、そのような変化の時代においても、
変わらないものもあります。
ものづくりの分野で一つ例を挙げてみます。
(少し専門的な話になりますが、)
金属材料には加工性というものが3つあります。
①可融性(かゆうせい)・・・加熱すると溶ける性質
②展延性(てんえんせい)・・・力を加えると変形する性質
③被削性(ひさくせい)・・・刃物などで削られる性質
物を作る際には、素材に対して様々な加工法や機械を使用しますが、
どんな加工も、すべて上記①~③のいずれかの性質を利用した加工になります。
どんなに時代が変わろうと、これらは変わりようがないのです。
例えば③被削性を利用した加工の代表である旋盤を見てみます。
※旋盤(せんばん)・・・材料を回転させ、そこに刃物をあてて削ることで円筒状の形を作る機械。
旋盤は古く(13世紀ころ)から存在していました。
初期の旋盤は素材に巻き付けた紐を、
弓の反発力と足踏みによって交互に引っ張ることで素材に回転を与えます。
そこに刃物をあてて素材を削ります。

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そこからさらに時代が進むと、フレームが金属になっています。
金属にすることで剛性が高まったり、耐久性の向上が図られます。
また、旋盤でネジを作ることができるようになりました。
※剛性(ごうせい)・・・変形のしにくさ

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さらに時代が進み、材料を回転させるための動力にモーターを使用した旋盤です。
頑丈なフレームで剛性もより高いことがわかります。
ハンドルを手で回すことで、刃物を移動させ削ります。

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さらに時代が進むとNC旋盤が登場しました。
NC旋盤とは、あらかじめ用意したプログラムによって
自動で材料の加工を行う旋盤です。
これらの機械は、自動で複雑な加工を行うことができ、
効率と精度が向上しました。
(写真がなかったのでイラストを載せています。)

以上のように時代とともにさまざまな改良や変化がありますが、
素材を削って形を作るという本質は何も変わっていません。
今後もAI等によって、このような機械がさらに発展していくと思います。
例えば、AIが最も効率的な加工プロセスを導き出し、
時間とコストの削減がさらに可能になる等です。
しかし先ほど述べたように、
材料を削って物を作るという本質は変わらないのです。
工業高校で使用されている教科書は、
何十年経っても内容に大きな変化がありません。
私が教壇に立った初めの頃は、
「時代遅れではないか?」と感じていましたが、
今考えるとそうではなかったようです。
時代が変わっても、変わらない大切な知識なのだと理解できます。
新しい流行や情報を吸収することは大事ですが、
少し俯瞰してみて、
常に本質は何なのかを探ることも大切なことだと感じます。
まとめ
・これからの時代は変化の激しい時代である
・変化の時代においても変化しないものがある
・新しい情報を取り入れながらも、本質を見失わないようにしなくてはいけない












